出かける前に足を洗っているのにすぐ足が臭う!それ、靴下のせいかも

フットケア

「足のニオイ対策として、
出かける前は念入りに足を洗って、
消臭スプレーまでかけているのに
半日もすれば足がにおっている。」

『足に対しての対策はし尽くした・・・
これ以上、何をどうしたら良いんだ?』

足への対策はばっちりなハズなのに
足がすぐにおってしまってお悩みのあなたへ。

本記事ではそんな悩みを解決します。

ぜひ本記事をご一読ください!

この記事でわかること

足をにおわせている靴下への対策
・靴下についた汚れも菌もしっかり落とす洗濯方法

本サイトでは専門書や国内外の論文などを参考にしつつ、
お役に立てるような情報をお伝えしています。
本記事の参考先はこちら。

足を洗っているのにすぐ足が臭うのは靴下のせい

帰宅時、靴を脱ぐと「うぉッ」と引くほどの足のニオイ。

足のニオイがキツすぎて、もはや靴下を別々に洗濯される始末。

だからこそ、毎日一生懸命お風呂で足を洗っているのに
それでも日々におう足。

足に対しての対策はし尽くした・・・

これ以上、何をどうしろと?

そんな時に目を向けて頂きたいのが靴下です。

靴下は毎日

足からの汗を吸いとり
皮脂や角質(垢)汚れから靴を守り
外からの汚れや日々の汗がチリツモした靴から足を守っています。

着用後の靴下って洗われていると思いますが、
この汚れ役の靴下がちゃんと洗えていなかったとしたらどうなるでしょうか。

おそらく、
この「ちゃんと洗えていない靴下」を履く度、足はすぐにおうと思います

靴の中の湿度は、

靴を履いて歩き出してから10分以内に80%に達し、
40分後には99%にもなるそうです。

汚れが落とし切れていない靴下、
というのは

もうすでに余分な細菌のエサがある、
ということになるので

それ自体がすでににおっているし

履いて湿り出したら細菌はブワっと繁殖して
ブワッとニオイ物質もたくさん出るでしょう。

靴下は、思ったより汚い

ご存知ですか?

着用後の靴下には表皮ブドウ球菌やミクロコッカス属などをはじめ、
十数種類の細菌・真菌が棲みついていることを。

ボーリングの靴やスケート靴など、
不特定多数の人と共有する貸し靴を履いた時の靴下には
黄色ブドウ球菌や緑膿菌、カンジダ菌など病原性が強めな菌が多く付着するそうです。

足に存在する細菌数は、
背中や脇の下と比較して桁違いに多いそうです。

細菌のエサとなる角質(垢)も、特に足の裏は多くありますよね。

ご存知ですか?

着用と洗濯を繰り返した靴下にほど
繊維表面や繊維間に、チリツモした汚れがたまっています。

靴下は、ニオイ物質を吸着する

ニオイ物質はとても小さく、
表面積が大きなものに吸着されやすいです。

たくさんの細かい繊維が折り重なってできている靴下は
表面積が大きいので吸着性が高いです=ニオイ物質が付きやすいです。

そして、

吸着しやすい例えばタバコや焼肉の焦げ臭などのニオイ物質は
一般的に検知閾値(いきち)も低く、低濃度でもにおうそうです。

足のニオイの代表臭
「イソ吉草酸(きっそうさん)」も、
閾値(いきち)が低いので
繊維に吸着しやすく、
かつ、
低濃度でもすぐにおってきます。

▼検知閾値=ニオイを感じることのできる最小濃度。
検知閾値が低い=微量でもニオイを感じることができる物質。
イソ吉草酸は閾値が低いので、ちょっと発生しただけでめっちゃにおう。

ちなみに、
イソ吉草酸は水に溶けにくい性質なので お洗濯をする際はしっかり落としていきたいところです。

足をにおわせている靴下への対策

靴下は思ったより汚い

 ・履いた靴下には細菌や真菌がたくさんいる

 ・履く&洗うを繰り返した靴下には汚れが散り積もっている可能性大

靴下にはニオイ物質がつきやすい

 ・イソ吉草酸は水に溶けにくい性質

以上のことから、

足自体への対策がばっちりなのに
それでもにおうゾ!

という人は靴下が犯人だと疑いましょう。

そんな靴下に対する対策ですが、

靴下についた汚れも菌もしっかり落とす洗濯の仕方

こちらを紹介していきたいと思います。

靴下の汚れとニオイに効果的な洗濯方法

靴下に付着しているのは主にこれらです。

・細菌、ニオイ物質

・汗、皮脂、垢

・靴の中の汚れや外部からのホコリ

特に靴下は、足裏の角層数が多いこともあって
タンパク質汚れ(主に垢)の比率が高いです。

足の指、足の裏、かかとの部分は特にタンパク質汚れ量が多いので、
高温多湿の状態になった時に細菌が繁殖しやすいです。

繊維に付着した汚れは
すぐに洗えば落ちやすいのですが、
時間の経過とともにより落としにくくなっていきます。

例えば

皮脂汚れは空気に触れて酸化変質して、
そのうち黄ばんできます。

タンパク質汚れは乾燥変質して、
繊維とより強固にくっつきます。

世の中の忙しい人には「ハァ?」と思われるかもしれませんが
お汚れ靴下は24時間以内の洗濯が理想的です。

しっとり水気を含んだ脱ぎたての靴下をそのまま洗濯機の中に放り投げてはいませんか?

実はこれ、

新たなニオイ菌の繁殖に繋がります。

その名も「モラクセラ菌」。

雑巾のような酸っぱくさいバスタオルのような、
部屋干しバスタオルのようなニオイの原因菌です。

モラクセラ菌は水分をエサに繁殖するので

すぐに洗う予定がない湿った靴下を
通気性の悪い洗濯槽の中に放置したらアウト
です。

時間が経つほど菌は繁殖し、
汚れは繊維の奥へ入り込むため

その日のうちに洗濯できない靴下には

・通気性の良いところに干しておく
(とりあえず乾かしておく)

・洗剤液に浸けておく

などの対応をとる

前置きが長くなりましたが、洗濯方法にまいりましょう。

つけ置き洗い

靴下の洗濯において、
汚れと菌を早いうちにしっかり落とすことが「におわない靴下」に繋がります。

靴下は、
着用&洗濯を繰り返すと繊維表面と内部に汚れが蓄積されていくので

この「汚れの蓄積」をさせないようにすることが大事です。

ポイントとなるのが「洗剤液でのつけ置き洗い」です。

これで汚れの蓄積具合に差がでます。

靴下のつけ置き液にはいろいろあります。

靴下の素材に応じて使い分けると良いです。

靴下の素材適する洗剤アイロンの温度
天然繊維コットン弱アルカリ性
ウール中性
(アルカリに弱い)
一般的に「アルカリに弱い」とされているが、
洗剤中のアルカリ程度では繊維が傷つくことはあまりなく、
洗濯機での洗い方にむしろ注意が必要。
優しく洗ってしっかりすすげばアルカリ性洗剤を使っても大丈夫。
シルク中性
(アルカリに弱い)
化学繊維ポリエステル弱アルカリ性
ナイロン弱アルカリ性
アクリル弱アルカリ性

基本的に、一般的な靴下なら
以下で紹介するつけ置き液で問題ないと思います。

つけ置き液
※ブランドによって使用量が異なるため各々パッケージを確認してください
洗濯用洗剤/つけ置き洗い用洗剤(例)
花王 アタック 高活性バイオEXの場合
30~40℃の温水約5Lにアタック18gを溶かす。
30分~1時間程つけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。

花王 アタック 消臭ストロングジェルの場合
30~40℃の温水約水5Lにストロングジェル25gを溶かす。
20分時間程つけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。
重曹/セスキ炭酸ソーダ重曹の場合
30~40℃の温水約水2Lに重曹約10gを溶かす。
2時間程つけ置き、すすいだ後で洗濯機で通常洗濯。


セスキ炭酸ソーダの場合
30~40℃の温水約水2Lにセスキ粉末約10gを溶かす。
3時間〜半日程つけ置き、すすいだ後で洗濯機で通常洗濯。
酸素系漂白剤(例)
洗濯家の中村祐一氏の場合
Esse Online参照
洗剤と酸素系漂白を40〜45℃くらいのお湯に溶かす。
お湯1リットルあたり、
洗濯洗剤5g程度、酸素系漂白剤5ccが目安。
30分ほどつけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。


オキシクリーンEXの場合
40~60℃のぬるま湯約水4Lにオキシ粉末28gを溶かす。
20分程つけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。


オキシクリーン デオドラントパワーの場合
40~60℃のぬるま湯約水4Lにオキシ粉末30gを溶かす。
最大6時間までつけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。


シャボン玉石けん 酸素系漂白剤粉末の場合
30℃~50℃の温水約水2Lに漂白剤粉末10gを溶かす。
15〜30分程つけ置きした後、洗濯機で通常洗濯。
各種つけ置き液と作り方 ※筆者調べ

お湯の温度が50度を超えるとタンパク質系の汚れが固まり、
生地も傷みやすくなるためご注意ください。

上記で使用量を記載してはいますが、
各商品の表示を事前にお確かめのうえ、そちらに従ってください。

本記事で紹介している

重曹
セスキ炭酸ソーダ
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤の粉末タイプのこと)

は、自然界にもともとある天然成分を使ったナチュラルクリーニングでおなじみの洗浄素材です。

3つともアルカリ性なので、

皮脂汚れや垢などのタンパク質汚れ、
足のニオイ物質の中和に効果があるのは共通していますが、

主な違いは以下です。

重曹
(炭酸水素ナトリウム)
セスキ
(セスキ炭酸ナトリウム)
過炭酸ナトリウム(粉末)
やや水にとけにくい重曹より水に溶けやすい塩素系と比較して扱いやすい漂白剤。

重曹やセスキ炭酸ソーダと同じアルカリ性であるだけではなく、
除菌と漂白ができる。
 
※同じ酸素系漂白剤でも、粉末と液体では性質が異なる。
液体は弱酸性。
アルカリ度が低い順に、重曹セスキ炭酸ソーダ過炭酸ナトリウム

酸素系漂白剤をご使用の際は
以下の点にお気をつけください。

酸素系漂白剤には粉末液体の2種類があります。

漂白・殺菌はどちらもできます。

大きな違いは

漂白力と皮脂や垢汚れ、足のニオイ物質にはアルカリ性の粉末タイプが◎。
ただし、粉末はウールやシルク素材のものには使えません。

液体タイプは、
漂白力は劣るものの
水洗い可のウールや絹素材のものにも使えます。
弱酸性なので疲労臭のアンモニア系のニオイにも◎。

木村石鹸より引用

塩素系でも酸素系でも漂白剤の使用前には取り扱い表示(洗濯絵表示)をご確認ください。
消費者庁【洗濯表示】

漂白剤は生地への刺激が強いため、
つけ込みすぎや使用頻度にはご注意ください。

色柄物の靴下の場合、
つけ置き時間が長いほど色落ちする可能性が高くなるのでご注意ください。

靴下の素材を傷ませないためにも 漂白剤を使う場合、
まずは「酸素系漂白剤」で試してみて、
それでもだめならさらに強力な「塩素系漂白剤」を使うようにしましょう。

いきなり強いのを使って素材が傷んでしまったら元にはもどせませんので。

裏返し洗い

汗やタンパク質汚れは
靴下の肌に接する側=裏面にびっちり付着します。

汚れをよく洗い落とすためにも
靴下表面に使用されている天然素材を傷ませないためにも
生地の色落ちや毛玉を防ぐためにも

洗濯時、靴下は裏返して洗います。
※ものによっては洗濯方法が異なるため、靴下の洗濯絵表示は要チェック

陰干し

裏返しのまま、
ゴムを上側=つま先を下側にして、
風通しの良い日陰で干しましょう。

靴下はつま先を上にして干した方が早く乾きますが、

履き口のゴム部分に水が溜まってしまい、
靴下が伸びてしまうので、

基本はつま先を下にして干します。

また、

直射日光が当たらない風通しのよい日陰で干すことで
紫外線による日焼けやゴムの傷みを避けることができ、靴下はより長持ちします。

アイロン熱で殺菌

脱水の後にアイロンがけをします。

生地が濡れた状態が長いほど 
水分をエサにしているモラクセラ菌が繁殖するので

・濡れている状態を短くする 
・アイロンの熱によって殺菌する

ことが目的です。

そうは言っても
靴下のような生地が厚いものをアイロンで乾かすって結構無理ゲーです。

脱水後すぐに乾燥機に入れられる環境であれば良いですが、
乾燥機がない場合で、
脱水後アイロンをかけて靴下を乾燥させるのはかなり時間がかかります。

結局、私は自然乾燥させた後に靴下にアイロンをかけています。

アイロンがけしないよりは、靴下のニオイは軽減されていますよ。

靴下がアイロンOKかどうかは取り扱い表示(洗濯絵表示)をご確認ください。

洗濯槽もきれいに

洗濯槽って内側にカビが生えやすいです。

洗濯洗剤の使用量を守って洗っているのに
浸け置きしてから洗っているのに

まだなんかクセェ

って思ったら

洗濯槽のカビのせいで
結局、洗濯物もくさくなっていた

なんてことは経験済みです。

なので、

定期的に洗濯槽、洗ってあげると良いですよ。

まとめ

本記事では

足をにおわせている靴下への対策
・靴下についた汚れも菌もしっかり落とす洗濯方法

着用後の靴下は菌と汚れの温床。
つけ置き洗いで日々の汚れや菌の蓄積を防ぐことで「におわない靴下」へ。

を紹介しました。

参考になりましたでしょうか?

足より靴下の方がくさいことって結構あるので

「ちゃんと洗っているのに足がくせぇ・・・」と思ったら
靴下がしっかり洗えているか見直してみましょう。

参考文献・webサイト

繊維製品消費科学. 17, No. 7, 256-263, 1976
繊維機械学会誌. 54, No.11, 434-443, 2001
繊維製品消費科学. 36, No.2, 201-207, 1995
繊維製品消費科学. 37, No. 9, 464-471, 1996
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集. No.66, 3P-57, 2014
『重曹とお酢ですっきり暮らす』(岩尾明子・著/主婦の友社・刊)
Research on Factors Influencing Temperature and Relative Humidity Inside of Shoes Fuquan Deng * , Taisheng Gong, Hua Jin, Shaoxun Du

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