知らんかった!スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの違い【元BAが解説】

その他
  • 「スクラブ」「ゴマージュ」「ピーリング」 って何が違うの?
  • これらを使うにあたっての注意事項は?
  • 使い方の違いは?

本記事はそんなお悩みを解決します。

この記事で分かること
  • 「スクラブ」「ゴマージュ」「ピーリング」 それぞれの特徴・共通点
  • それぞれの使い方
  • 使う際の注意点

読み終えていただければ、

◎それぞれの特徴が分かるので、自分の肌状態に合わせたツールの使い分けが出来るようになります。

◎ドラッグストアやコスメショップで「違いは何だろう?」と悩まず、スムーズにお買い物が出来るようになります。

ネット上では「スクラブ」「ゴマージュ」「ピーリング」について、特に「スクラブ」と「ゴマージュ」の違いがあやふやだったり、ツールそのものの定義がズレていたりするサイトが多く見受けられます。

なので、見過ごせないズレている部分を訂正しつつ、それぞれのツールがもつ本来の特徴をわかりやすくまとめてみました。

これらの違いを知らなくても大事ではありませんが、

・各々がどんな特徴をもち

・どのように肌に働きかけるのか

を知ることは自分の肌質に合ったツールを選ぶ際に大事なことですので、知っておいて損はありませんよ。

筆者紹介
  • 美容業界歴10年以上
  • 元・外資系化粧品会社の美容部員&プロダクトマネージャー
  • 美容マニア
「スキンケアエキスパートの私が説明します」

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの違い

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの違い

※スマホでは表右側のをおすと各々の説明が開きます。

「スクラブ」「ゴマージュ」「ピーリング」の共通点と相違点
ポジティブな共通点=目的と期待できる働き表面の角層(角質)を除去し、
・肌をなめらかにする
・毛穴を目立たなくさせる
・肌色を明るくする
・化粧品の浸透を高める
・肌の新陳代謝を高める(肌の再生を促す)
などが期待できる
ネガティブな共通点=肌にとって刺激となるアプローチの方法は異なっても、
角質を除去する際に少なからず肌へ刺激を与えてしまう
相違点=角質除去の方法・Chemical
薬剤(酸)を使用して角層(角質)を溶かして剥がす

・Physical
物理的な力を使用して角層(角質)を磨き/擦り落とす

相違点をもっと具体的にまとめたのが下図です。

角質除去の方法を2つに大別した図
角質除去の方法を2つに大別した図

角質除去のことを「エクスフォリエーション」ではなく「ピーリング」と呼ぶ場合もあります。
その場合は
「①ケミカルピーリング」
「②フィジカルピーリング」
と呼び方が変わりますが、それぞれの特徴は変わりません。

「ピーリング」の特徴

「ピーリング」の特徴

「ピーリング」は①「ケミカル・エクスフォリエーション」に該当します。

医療機関で行われるものだけでなく、一般化粧品などを使ってセルフで行うものも含まれます。

医療機関で行われるものを指して「ケミカルピーリング」とすることが多いです。

本来「ケミカルピーリング」とは、
化学薬品(酸)を用いて角層を溶かす/剥がすことによって肌の自己再生(代謝)を促し、肌色を明るくする、しみ、そばかすをとるなどの目的で行われる美容治療を指します。

美容皮膚科・皮膚科での医療行為です。

ケミカルピーリングは医療機関や皮膚科、美容クリニック等で施術を受けることができます。

ケミカルピーリングにおいて使用する薬剤としては、
■α-ヒドロキシ酸(フルーツ酸やAHAとも言われる)
■β-ヒドロキシ酸(BHAやサリチル酸とも言われる)
■プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
などが主に使われます。

一方で、

一般化粧品を使ってセルフで行うものを指して「マイルドピーリング」「セルフピーリング」と呼び、「ケミカルピーリング」と区別する傾向にあります。

一般化粧品においても、医療機関で使われるようなピーリング成分は配合されていますが、その配合量は肌に使用しても安全な範囲で少量配合(1%程度)とされています。

「マイルド(セルフ)ピーリング」としての商品には洗浄料、拭き取り化粧水、美容液、ジェル/クリーム状、などのものがあります。

主に配合されている成分は以下です。

  • AHA—グリコール酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸など
  • BHA—サリチル酸
  • PHA—グルコノラクトン、ラクトビオン酸
    (※次世代AHAとも呼ばれるピーリング成分のニューフェイス。AHAよりも分子構造が大きく、より低刺激=より穏やかに作用する。AHAより抗酸化作用や保湿力が優れている)

医療行為のケミカルピーリングに比べると、市販の「ピーリング系コスメ」で得られる効果は弱いです。

配合されている酸の種類によってもその効果・刺激は強弱あります。

代表的な成分で例えるとこんな感じです。

刺激がマイルドな順に

  • PHA
  • マンデル酸
  • 乳酸
  • グリコール酸
  • サリチル酸

同じAHAの中でも
●グリコール酸は分子量が小さいため、他のAHAよりも肌の深い部分まで浸透しやすいです。
浸透力が高く、作用が強めな分、刺激を感じる可能性も高いです。

●乳酸はグリコール酸より分子量が大きく、角層の表層で作用するため、肌への刺激もマイルドです。
かつ保湿効果もあるため、ピーリングビギナーにも手が出しやすいです。

●マンデル酸は乳酸より分子量が大きく、肌への刺激もマイルドです。
一方でマンデル酸は脂溶性のため肌の奥まで浸透ができます。
低刺激なのに効果が高いのが大きな特徴です。
こちらも、ピーリングビギナーは手が出しやすいです。

ここで勘違いしやすいのが、いわゆる「ピーリングジェル」です。

一般的には「ピーリングジェル」と呼ばれている、
「マッサージすることでモロモロとカスが出てくるタイプ」の化粧品(主にジェル状)がありますが、これは実は「ゴマージュ」に分類されます。

AHAなどのピーリング成分を配合したゴマージュ商品が発売されていることが「ピーリングジェル」のポジションを曖昧にしてしまった感じですね。

「ゴマージュ」の特徴

「ゴマージュ」の特徴

「ゴマージュ」は①と②を合わせた「ケミカル&フィジカル・エクスフォリエーション」に該当します。

ゴマージュの意味はフランス語で”gommage—消す、剥離する”という意味をもち、フランス語でいうところの「角質除去」、特に”消す”という意味を強く含みます。

ゴマージュの多くは、
・植物由来(パパイヤ、パイナップル、キウイなど)や、
・動物由来(トリプシン・ペプシン・キモトリプシンなど)の「タンパク質分解酵素」をメインに含んたジェル/クリーム状のもので、酵素の力で角質軟化・剥離を促すことに加え、

肌をマッサージすることにより摩擦によって固まるジェル/クリームで角質を絡めとり剥離する、という物理的な摩擦力も加えることで角質を除去します。

※酵素ではなく、酸が使われているゴマージュもあります。
※現状、日本市場の「ゴマージュ商品」には酵素よりAHA/BHA配合の方が目立つ傾向がみられます。

ゴマージュは、塗布後「乾かしてからこする」という使い方も特徴的です。

ゴマージュは、角質剥離成分が配合されているので「ゴマージュピーリング」とも呼ばれることもあります。

イメージとしては、
「酵素(酸)入りの消しゴム」で肌をこすって、古い角質や汚れを絡みとってきれいにする感じです。

また、ゴマージュには研磨剤としてのスクラブ剤は配合されていないものですが、商品の中にはスクラブ剤が配合されているものも見受けられます。

モロモロと出てくるカスはこすり取られた角質ではない

このカスの正体は、ジェルに含まれるカルボマーなどのゲル化剤です。

摩擦を加えることで固まるゲルがカスのようなものとして出てくるだけであって「すごーい!角質がいっぱいとれてる!」なんてことはありません。

そして、

洗い上がりのツルリ感は主に「陽イオン界面活性剤」という成分によるものです。表面に膜をはってなめらかな肌質に仕上げてくれるんですねぇ。

もちろん、固まるゲルに絡め取られることによる少々の角質除去の効果はあります。

また、角質溶解作用のある成分が配合されているものならば、その成分の働きによる角質軟化・溶解作用(ピーリング作用)が期待できます。

ポロポロするタイプのゴマージュで、ピーリング作用が欲しい時は成分をチェックしてください。

酵素や酸が含まれていないものは「ただの消しゴム」です。

含まれていたら「ピーリング消しゴム」です。

ピーリング成分配合かどうかは主にこの成分をチェック ●α-ヒドロキシ酸=AHA=フルーツ酸
(中でも特にグリコール酸はピーリング効果が強い)
(マンデル酸・リンゴ酸・乳酸・クエン酸はマイルドなピーリング効果) ●βヒドロキシ酸=サリチル酸=BHA
(BHA>AHA。BHAはAHAより強力な効果をもっている) ●タンパク質分解酵素(=プロテアーゼ)=パパイン酵素、パイン酵素など

よくある勘違い「ゴマージュ」≒「スクラブ」

・「ゴマージュ」=ハーブや植物の種・殻など天然由来の粒子や成分を用いた物理的吸着によって角質を落とす「アイテム」/それら天然由来の素材で肌を擦る「ケア方法」

・「スクラブ」=植物の種・殻をはじめ、砂糖、塩、ポリマーなどの細かい粒子(スクラブ素材)がジェルやクリームに配合された「アイテム」/それらのスクラブ素材で肌を磨く「ケア方法」

ネットを見る限り、ゴマージュとスクラブを「天然素材が使われているかどうか」で区別している人が多い印象を受けます。

しかし、上記のような区別の仕方、合ってそうで実はそんな合っていません。

「ゴマージュ」も「スクラブ」も天然のスクラブを使用している

「スクラブ」も、植物種子をはじめ砂糖・塩・こんにゃくなどの「天然のスクラブ剤」を使用しているものが多いです。

一昔前はマイクロプラスチックという微細なプラスチックビーズが配合されているものもありましたが、現在では環境汚染の観点から大手企業をはじめ、マイクロビーズの使用は廃止されつつあります。

よって「天然のスクラブ剤を使用=ゴマージュ」ではありません。

「ゴマージュ」も「スクラブ」も化学成分でつくられている

本来、ゴマージュには酵素や酸が含まれます。
百歩譲って酵素や酸が入っていなくても、モロモロのカスを出すための成分は化学成分です。
というか、化粧品は化学成分なしではつくれません。

そもそも天然の酵素や酸は化学成分です。
無添加石けんも「肌にやさしい弱酸性」商品も全て化学成分でつくられます。

よって「化学成分を使っていない=ゴマージュ」ではありません。

「ゴマージュ」と「スクラブ」、それぞの特徴を理解して使い分けよう

ゴマージュもスクラブも、物理的吸着によって角質を落とすことが共通しているので「ゴマージュ」≒「スクラブ」のようになってしまっているのも仕方ないかもしれません。
しかし、実際はそれぞれ特徴があります。

ゴマージュとスクラブの違いを知らなくてもスキンケアは楽しめます。

しかし、天然素材か否かでゴマージュ/スクラブを区別するにはあまりにも違和感がありすぎたので説明させて頂きました。

では最後に「スクラブとは??」を説明します。

「スクラブ」の特徴

「スクラブ」の特徴

「スクラブ」は②「フィジカル・エクスフォリエーション」に該当します。

スクラブには、「スクラブ剤」として、マッサージ効果を高めたり角質除去効果を高めたりする為の小さな粒子がジェルやクリームなどと一緒に配合されています。

スクラブ剤+マッサージ(摩擦)といった物理的な研磨によって、剥がれ落ちるべき角質を除去します。

代表的なスクラブ剤(「化粧品成分オンライン」より抜粋)
種類成分名称
天然糖類スクロース、乳糖、コーンスターチ
塩類海塩
植物種子・皮アーモンド、オートミール、クルミ殻粒
顔料シリカ
繊維セルロース
半合成繊維結晶セルロース
合成樹脂ポリエチレン(マイクロビーズ)
鉱物合成ワックス

上図から、スクラブ剤として天然由来のものも使用されているのがお分かり頂けたと思います。

(しつこいですが)このことからも前項で申したように「天然由来の粒子を使用=ゴマージュ」ではないことが分かりますよね。

まとめ★「ピーリング」「ゴマージュ」「スクラブ」の違い

※スマホでは表右側のをおすと各々の説明が開きます。

ピーリングケミカル・エクスフォリエーション・薬剤(酸)を使用して角層(角質)を溶かして剥がす

・「AHA」や「BHA」などを使用

・βヒドロキシ酸(=サリチル酸=BHA)はAHAより強い効果をもつ
酸による角質分解作用で角層を溶かす OR
剥がすことによって角質を除去する
刺激が低めな酸(PHA、マンデル酸、乳酸など)を使用しての
セルフピーリングだと肌へのダメージは比較的少ない
ゴマージュケミカル&フィジカル・エクスフォリエーション・酵素や酸を使用して角層を溶かす&
物理的な力を使用して角層(角質)を磨き/擦り落とす

・「タンパク質分解酵素=プロテアーゼ」を使用

・酵素はAHA、BHAより肌への刺激が少ない
酵素や酸による角質分解作用と、
肌の上から摩擦を加えることによって角質を除去する(消しゴムのように絡めとる)
肌を擦る時の力の入れ具合に注意すれば、肌へのダメージは比較的少ない
スクラブフィジカル・エクスフォリエーション物理的な力を使用して角層(角質)を磨き/擦り落とす砕いた軽石・種子など研磨剤となるスクラブ剤を使って
肌の上で転がすことによって角質を除去する
・ツブツブが肌へ直接当たるため3つの中だと肌へのダメージは比較的大きい

・スクラブをする場合は、超ジェントルタッチで粒子が細かいものが◎

個人的には、ピーリング剤が肌にとって一番ダメージレスだと思っています。
塗って終わり。摩擦も研磨も必要ありません。

ただ、足の裏やヒジなど角層がもともと厚い部分にはスクラブもありです(ただし微粒子に限る)

大事なのは、自分の肌質に合ったものを使うことです。

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの使い方

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの使い方
ピーリング・ゴマージュ・スクラブの使い方まとめ
洗い流す洗い流さない
濡れた肌に使う・スクラブ
・インバスでも使えるゴマージュ
(モロモロが出てくるやつ)
乾いた肌に使うアウトバス用のゴマージュ
(モロモロが出てくるやつ)
ピーリング剤

「スクラブ」「ゴマージュ」「ピーリング」と保湿ケアは絶対セットで!
いつもより念入りに保湿しましょう。

合わせて読みたい[【保存版】足の裏の保湿ケアガイド【保湿にこだわって一年中ツルスベ】]

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの注意事項

スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの注意事項
使用時の注意事項
  • 肌が炎症を起こしている、傷がある、などの場合はやらない
  • 頻度・程度ともに「やりすぎ」には注意
    やりすぎは逆に肌が荒れてしまう原因に・・・
  • 保湿ケアはセットでやる
    W保湿(ヒューメクタント+エモリエント)が◎
  • サンダルなど肌が日に当たる場合は日焼け止めを忘れずに
    ピーリングをはじめ、角質除去をした後の肌は紫外線を吸収しやすい状態のため。紫外線はシミやシワの原因に・・・

※スクラブ・ゴマージュ・ピーリング各々の詳しいツールの使い方や頻度については[足裏のセルフ角質取り【12のツールと使い方】]で、

※スクラブ・ゴマージュ・ピーリング使用時に欠かせない保湿ケアについては、保湿剤の特徴や補いたい成分などを[足の裏の保湿ケアガイド]で詳しく説明していますので、合わせてご参考になさってください。

まとめ

本記事で紹介したこと
  • スクラブ・ゴマージュ・ピーリングの違い=「ケミカル」OR「フィジカル」
    ・ピーリング=角質除去の方法は「ケミカル」。酸を用いて角質軟化・剥離を促す方法または商品

    ・ゴマージュ=角質除去の方法は「ケミカル&フィジカル」。酵素や酸を用いた角質軟化・剥離に、物理的な摩擦力を加えて角質除去をする方法または商品

    ・スクラブ=角質除去の方法は「フィジカル」。物理的な研磨によって角質除去をする方法または商品

本記事は参考になりましたでしょうか。

ツールによって角質を除去する方法が異なるので、自身の肌状態に合ったものを使うようにして肌へ余計な負担をかけないようにすることが大事です。

角質除去のツールは本記事で紹介した3つ以外にもあるので、別記事[足裏のセルフ角質取り【12のツールと使い方】]も是非ご覧ください。

参考Webサイト

skincare.com by L’OrealAll About Gommag
intotheglossーGommage Peels Sure Look Dramatic On The Internet
Healthline—What Is Gommage, a Form of Gentle Exfoliation Popular in France?
Newbeauty—Why Gommages Are Taking Over the Exfoliation Category

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